言い訳の設計。

キーワード:マーケティング

商品開発の世界は今までほとんどが利便性を求めてきた。
しかし利便性は非常に高いのにも関わらず全くといって
いいほど売れなかった商品というものは存在する。例え
ば初期の食器洗い機は全く売れなかった。企業担当者は
考えたはずだ。なんでこんなにいい商品が売れないのか
と。ニーズはあるはずだった。主婦のほとんどは食器洗
いの時に水洗いを嫌がっているというデータがあったか
らだ。それではなぜ売れなかったのか?
答えはグループインタビューによって出てきた。駄目な
嫁のような印象を与えてしまうことが怖かったのである。
食器洗いすらせずにぐうたらしているようなイメージが
怖かったにである。ではどうするか。
その企業担当者が取った施策はこうだった。
「実はこれを使うと使う水の量が減るので節約が出来て
御家族に喜ばれますよ。」
主婦は喜んで購入し爆発的ヒットになった。ヒットの理由。
それは言い訳を設計する発想である。消費者は購入する
ことに対してある一定の迷いがある。それは買いたい気
持ちに二律背反する形で存在する。
そのとき購入を決めた消費者の多くは心に言い訳をする。
この企業の成功ははじめからこの言い訳を設計していた点
である。
本当は買いたい消費者を確実につかむために言い訳を設計し
企業メッセージとして強固に伝える努力が必要だ。
消費者から見たとき自分の持つ商品のどこに言い訳の設計が
出来そうか考えてみると新しい発想が生まれそうですね。

上へ戻る