水野敬也さんの「大金星」を読んだ
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「夢をかなえるゾウ」で有名な水野敬也さんの「大金星」を読んでみた。
ふと、思い立って書店に行ったら、「大金星」が置いてあったのです。思わず手にとってしまい、「夢をかなえるゾウ」も、「雨の日も晴れ男」も面白かったので、即買いしちゃいました。
最初は軽い気持ちで読み始めたので、「今日読み終わらなくてもいいや。」と思っていたのですが、めくる度に徐々に気持ちが熱くなり、不覚にもプッと笑っちゃったり。そして、展開がテンポ良くてどんどんハマってしまいました。結果、1時間半で読了。
個人的には、「夢をかなえるゾウ」が「ドラマ風に仕上げた自己啓発本」だとすれば、大金星は「自己啓発の要素を密かにしたためたドラマ本」になっているなあと勝手に思いました。
お味噌汁を作るときに、煮干しを入れたりしますよね?あれって味にはものすごく重要な要素だと思うんですが、実際にお味噌汁を頂く際は、無くなっているじゃないですか?振舞われる前に無くなっている煮干し。そんな煮干しのような下ごしらえが至るところにあるような気がします。作品の主張や水野さんの思いが、強烈なキャラクターやとんでもない珍事件の裏に絶妙なバランス感覚で入っているような気がします。
しかも、テーマがとっても身近で。小説って「ハイソな感じ」を狙っている作品がたまにあるじゃないですか。おしゃれすぎるゲイとかを登場させて、現実感から一歩違う場所に浮遊させるような作品。でも、この作品はそういう作品とは一線を画くわけです。
・渋谷
・ゲーマーの主人公
・新入生歓迎会
・チャラくてウザい知り合い
登場するのはこんなどこにでもありそうな情景。かといって、携帯小説のような軽さもない。いきなり誰かが死んだり、レイプされちゃったりしない。そういう作られた驚きじゃなくて、もっとぶっ飛んだ驚きを提供してくれます。
まあ、何はともあれ、衝撃を受けたのはラストですが・・・・。いやあ、たまげた。一言で言うとたまげましたよ。「ああ、そういうのアリなんだ・・・。」って感じでしたよ。
何はともあれ、素敵な作品をありがとうございました。私もこういうテンポ感のある「介護」の本を書きたいなあ・・・。