年齢ではなく「ライフスタイルと憧れ」

キーワード:シルバーエンターテイメント

慶応大学の福田亮子氏がその講義の「高齢者環境設計論」の中で
高齢者のマーケティングに関して触れている。
「高齢者に対しては年齢のアプローチよりも、ライフスタイルのマーケティング
の視点からアプローチした方がいいでしょう。」
と福田氏は話す。高齢者の身体能力は確かに加齢と共に変化はするが、
その中で高齢者層に共通して見られる環境設計や、生活パターン、ライフスタイル
がある。そのライフスタイルを見極め、そこにマーケティング戦略を仕掛ける、と
有効だというのだ。
「又、高齢者の憧れを設計することも重要かもしれません。」
これをこうしてみたい、などといった願いはどの年齢にも共通してあるものだ。
その願いへと先まわりをしておき、そこでマーケティング戦略を展開する。
その二つが今後求められるシニアマーケティングである、という。
高齢者層は人生の熟練者が多いため、知らない人の情報に対して
懐疑的になる傾向にあるという。しかし、友達や知人の言うことは信用する。
そうすると、ライフスタイルや憧れに合っているマーケティングを仕掛けることが
出来れば、シニアの口コミが発生する。低い広告費で大きな効果を得ることが
出来るというのだ。
最後に亮子氏はまとめてこういった。
「これからのジェロンテクノロジー(高齢者の生活支援技術)は【使いやすい】から
【使っていて楽しい】に移行するでしょう。」
シニアの新しいライフスタイルを構築する、シルバーエンターテインメントの精神が
求められるのはどうやら間違いなさそうだ。

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