「ちびまるこちゃん型シニア」と「サザエさん型シニア」
キーワード:マーケティング
高齢社会を紐解く最良の書を見つけた。
それは何か?私が見つけた答えは、ちびまる子ちゃんとサザエさんである。
昭和40年(1965年)代がちびまる子ちゃんの舞台設定である。
この舞台設定は今の60歳が20歳だった頃である。つまり、ここでの流行は
大いに、シニア世代を掴む良書となるのである。ここの中には、シニアの青春時代の
流行や生活が読み取れるのだ。
昭和版の銀の匙だと言う人もいる位、ちびまる子の世界観は昭和40年代の
エンターテインメントに満ちている。生活観が溢れている。
一方でサザエさん。こちらは、逆である。核家族ではなく、大家族だ。カツオ君は
坊主だ。ワカメちゃんは、三つ編みだ。そもそも、サザエさんは昭和21年に、
九州の『夕刊フクニチ』という新聞に連載されたのがはじまり。その後、
昭和24年から49年まで、なんと25年もの永きに渡り、サザエさん一家は、
東京の朝日新聞に連載された。
サザエさんの時代設定は「いわゆる高齢者」の時代だと思う。つまり、今80歳近くの
人の青春時代だ。
共通するのではないだろうか。
たまに、そう思うことがある。60歳代のイメージする高齢者像と、20代のイメージする
高齢者像はむしろ、リンクするのではないか。似たようなイメージなのではないか、と
思うのだ。今の60歳代は、「サザエさん世代」を高齢者と設定している。それに対して、
今の若者世代も、「サザエさん世代」を高齢者に設定していないだろうか?
つまり、極論を言うと、今の60歳以下と80歳以上では、明らかに感覚のずれがある。
その原因は第二次世界大戦の経験であると私は思う。1945年頃に生まれたのが、
今の60歳代だ。つまり、戦後復興のエネルギッシュな時代を生きてきた世代である。
それに対し、今の80歳代は、20歳の青春時代までを戦争の苦悩で悩みながら生きて
きた世代だ。
そして、彼らの青春は、60歳の世代がちびまる子的な生活の中で。
80歳の世代がサザエさん的な生活の中で暮らしていたのだろう。
これからのシニアマーケットを見抜きたい人に、私はちびまる子ちゃんとサザエさんの
全巻読破を強くオススメする。