否定の世代

キーワード:マーケティング

文化背景を見ていくと見えてくるものがある。それはその世代にとって
大事な価値観であったり、消費喚起作用であったりもする。
ではいわゆる団塊の世代を見ていこう。
よく言われることだが「ビートルズ」と「大学紛争」は彼らの時代を
あらわす代名詞だ。彼らは自ら若者であることを誇り謳歌した世代で
ある。
その原動力は「上の世代への反発」であった。上の世代が、演歌好きが
多かったのに対して彼らは「ビートルズ」。大学紛争も上の世代の
体制に反発するものであった。さらに彼らは夫婦観に関しても上の
世代とは異なるものであった。それだけではない。実は彼らの恋愛観も
その例である。
たとえば、「男尊女卑」に反発し、彼らは夫婦とは対等の関係である
「ニューファミリー」を提唱。一緒にジーンズをはき、腕を組んで
買い物を楽しむ仲のいい家族が理想とされた。
当然、子育てにもそれは影響し、子供に対し威圧する旧来的な父親像で
はなく、自由な雰囲気でワイワイ楽しむ民主的な家族が理想とされた。
こうした中でファミリーカー・ファミリーレストランなど親子で楽しむ
商品が創造された。
しかし「ニューファミリー」は結局、多くの女性が家事をして、男は
外で必死に働くという従来通りの図式になっていた。そう考えていく
と「シニアに受け入れてもらう商品」は非常に難しいことが分かる。
受動的な商品の受け方、は期待出来ない。団塊の世代にはむしろ
能動的に取得する、むしろ奪う、ようなコミュニケーションの方が
分かりやすいかもしれない。

上へ戻る