「美しい」という言葉は若い女性のためだけにある、という概念が、
今イギリス・アメリカで変わりつつある。
石鹸メーカーDoveが、９６歳の女性を広告モデルに起用したのだ。
彼女のポスターはイギリスのみならずアメリカのタイムズスクエアなどにも
貼られ、話題を呼んでいる。
彼女の名は、アイリーン・シンクレア。
北ロンドンの老人ホームに入居している。
彼女は、インタビューにこう答えている。
「自分を美しいと思ったことなんて一度もないけれど、今はそう思っているわ。
優美に年をとったということよ。
私がこのキャンペーンに参加したのは、高齢者の代表となって、
“私たちはたくさん持っているものがあり、過ぎ去った存在ではないんだ”
ということを断言するためよ」

そして、彼女はポスターを通して問いかける。
「私は、しわくちゃだと思う？（Wrinkled?）　それとも素敵だと思う？(Wonderful?)」と。
このキャンペーンがアメリカで始まったとき、１０００００の人がウェブサイトを通して
この問いに答えた。１７０００人が「しわくちゃ」と答えたが、それを大きく上回る
８３０００人が「素敵だ」と答えた。
高齢者のグレイの髪が、少し低くなった背が、誇れるものであること。
「私は美しい」と堂々としていられること。
それも、高齢者がいきいきと生きるうえで必要なことの一つだろう。
そのためには、毎日を楽しんでいることが必要だ。
あの広告も、アイリーンさんがいい表情で微笑んでいるからこそ、「Wonderful」と
思われたのだろう。
高齢者が微笑んでいる。
高齢者が自信たっぷりに街を闊歩する。
私はそんな社会を作っていきたい。
＜出典＞
http://www.aftonbladet.se/vss/kvinna/story/0,2789,587249,00.html
（実際の広告が載ってます）
http://www.timesonline.co.uk/article/0,,2-1425173,00.html
（ここを主に参考にして書きました）