日本古来の経営者に学ぶ 2

キーワード:マーケティング

米国のコーポレートガバナンス制度、それは一見斬新であり、何よりも
アメリカ、という信頼性が強かった。しかし、これはどういう思想なのか。
1919年のミシガンの最高裁は「企業は株主のために利益をあげる」と
明言。1970年のM・フリードマンは「企業の社会的責任は利潤の追求で
ある。」と話した。
そう考えると、これは実はこれまでの「実の商人は先も立ち、われも立つ
を思うなり」という日本古来の根本思想とは違っていた。「道徳経済合一
説」とも違っていた。松下幸之助の「命知元年」ともカネボウの「愛と正義
の人道主義」とも違う概念だった。
企業は利益追求のマシーンであり、企業価値は株式時価総額+負債
時価総額の単純数式で計算された。しかし、そういうムーブメントは短期的な
ROE向上の施策を行ってしまうこともあった。自分の社長任期中にROEを
向上のための施策をしよう、という思惑が見える施策だ。
その短期的なROE向上施策は人件費・研究開発費・設備投資抑制をし、
自社株買いをすることだ。しかし、結果的にそれだと新製品が出てこない。
自己資本比率が減り、財務基盤が弱体化してしまう。それで本当にゴーイ
ングコンサーンになるのだろうか。
つづく

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