定年を85歳にしてしまえ。
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定年の年齢を85歳まで引き上げるべきだとする生物学者がいる。
世界の高齢者
平均寿命が延びるために、2050年には定年の年齢を85才まで引上げねば
ならないと、米国の生物学者が語った。 「BBCニュース」(2.17)によると、米スタンフォード大学のタジュパルカ博士は、老化防止の技術の発達により、今後20年にわたって毎年1才ずつ平均寿命が伸びることが可能となる。しかしその結果、現在の定年年齢が維持されたままであれば、世界経済は重圧を受けるだろうと、警告した。彼はこのシナリオを米国、中国、スウェーデン、インドの4カ国に当てはめた。そして米国の場合には、人々が65才で引退れば、社会保障と医療費はほとんど2倍になるという。しかし85才まで定年を伸ばす事が出来れば、保障の現在のレベルを保てると言う。
しかし、定年を引き上げようという議論は昔から多くある。しかし、
そもそも60歳で定年という考え方が徐々に古くなっている。
シティバンクの調査では、引退者の60%は引退後も働くつもりがあり、半ば退職した人の5人に1人は完全に引退する予定はない。引退した100万人の人が、その後なんらかの仕事に戻っている。
とすると、定年にこだわるよりも、もっと広い概念でシニアと仕事に
関して考えたほうがいいのかもしれない。シンガポールでは、既に
起業が高齢者を雇う動きがある。
シンガポールは長寿化、労働者の高齢化と出生率の低下の影響下にあり、何も手を打たないならば労働危機に直面する。50歳以上の労働者の割合は、2004年の22%から2015年の29%まで増加する。そこで会社で、高齢労働者を雇う動きが出ている。
まず23の会社が、62才で引退したあとの労働者の再雇用に署名した。
また、アメリカではシニアが一人で起業するスタイルである「ナノコー
ポ」というスタイルが存在する。
シニアと仕事、そして定年に関する感度の変化。
今、まさにシニアマーケットは価値観の変化の時期を迎えている。