テクノロジーが年の取り方を変えていく時代。

キーワード:シルバーエンターテイメント

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米政府が1961年から10年ごとに実施し、5回目を迎えた
「高齢化に関するホワイトハウス会議」の一環として、関係企
業や大学など約400団体で構成する「高齢サービス技術セン
ター」が開催した。CASTのラッセル・ボドフ事務局長は
「電子メールや携帯電話、インターネットショッピングなど、
テクノロジーによって私たちの生活は大きく変化した。今度は
テクノロジーが年のとり方を変えていく時代だ」と話す。

この言葉は非常に私の胸を熱くさせてくれる言葉だ。確かにそうで
ある。テクノロジーが年を取ることに誇りを持ち、楽しめるような
社会を構築すべきだ。高齢者は弱者ではなく、むしろ、経験値が高
い偉大な先輩である。その先輩がより自由に楽しく社会を過ごせる
ようなテクノロジーがあるといい。
しかし、残念ながら発表されたのはむしろ、高齢者を弱者とした上で
の発明だった。

インテル社が出展したのは、アルツハイマー病初期の患者を補助
する電話機だ。記憶力が低下して電話の相手を思い出せない患者
のために、発信者の顔写真や名前、前回会話した日時などの情報
を付属の画面に映し出す。

ヘルスウォッチ社は、服薬の時間を記憶させておける薬棚を開発
した。棚に取り付けられたカメラで患者の顔を認識し、服薬時間
を音声で知らせてくれるほか、誤った薬を取り出そうとすると警
告メッセージを発する。さらに血圧計や体重計にも接続され、計
測データを担当医や介護者に電子メールで送信する機能も備えている。

バージニア大のチームからは、居室の床にセンサーを張り巡らせ、
高齢者の動きを見守るシステムが紹介された。足取りの変化や転倒
などを察知し、介護者らに自動的に通報する仕組みだ。同チームは
また、呼吸や脈拍の状態を感知するベッドも開発している。

こういった機器は全て実は高齢者本人よりもむしろ、高齢者を介護
するスタッフに役立つものだ。もちろん、その利便性は高いし、売
り方も明確だ。お金がある事業者に売ることが出来、ビジネスも
やりやすいだろう。
しかし、本当に私が理想とするテクノロジーはシニア本人が本当の
意味で楽しめるシルバーエンターテインメントの創造だ。
それはシニア自身が、シニアと言われることを嫌うことから、シニア
っぽくないモノかもしれないし、懐かしい世代的な楽しみかもしれな
い。
B2Bではなく、B2C。
そう考えたときにどんな発明がありうるだろうか?

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