アクティブシニアとクチコミ

キーワード:マーケティング

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アクティブシニアはもはや広告にはなかなか反応をしてくれなくなった。
何故なら、彼らは熟練消費者であり、社会風土全体がモノ余りの時代で
あるために、容易に他の商品を探すことが出来るためだ。
では、その時代のプロモーションの究極の目的は何か、といったときに
多くの人は「クチコミ」と言うだろう。そう、シニアの中でのクチコミの
インパクトは強烈で、それはそのまま販促に結びつく。
では、どんなクチコミがあるのか、という点に関して、日本総研の
クチコミ・マーケティングのススメという連載の記事は秀逸である。元ネタは
WOMMA (Word-Of-Mouth Marketing Association:クチコミ・マーケティ
ング協会)
の資料とのこと。
以下がその引用記事だ。
クチコミ・マーケティングのススメより引用。

(1)バズマーケティング(Buzz Marketing)
 「ニュース性や娯楽性によって、商品やサービス、ブランドに関して世の中一般に流通している話題の量(=バズ)を最大化するためのマーケティング活動。」
 東ハトの「暴君ハバネロ」は、「暴君ハバネロ」というキャラクターを作り上げ、駅のポスター・街の大型看板・色を変えたキヨスクを作るなどOOH(アウト・オブ・ホーム・メディア:屋外広告の総称)を中心とした露出、ホームページ上で動画の物語を流す、有名な携帯サイト「ガールズウォーカー・ドットコム」と提携する、などしてあくまでテレビCMを補足的なメディアとして位置づけるスタンスでクチコミを発生させ成功した事例といえます。
(2)バイラル・マーケティング(Viral Marketing)
 「面白い、又は有益で、消費者が他人に話したくなるようなアイデア・メッセージをウイルスのように“伝染”させ、商品やサービスの口コミを猛スピードで広めるマーケティング手法。」
 ザリガニワークスの「コレジャナイロボ」は、ペンキを塗った木材に顔などをマジックで手書きしただけという素朴な木製手作りロボットです。商品説明によると「欲しかったのはこれじゃなーい!!」と泣き叫ぶ子供に、欲しいものを手に入れるためには努力も必要だということを教えるための「情操教育玩具」だということです。代表取締役兼企画担当の武笠さんによると「コレジャナイロボ」「欲しかったのはこれじゃなーい!!」「トラウマ」といったインパクトの強い単語を含め、突っ込みどころを満載にしておくことで、主にブロガーの人たちの間でのクチコミ発生を狙ったものだそうです。
(3)コミュニティ・マーケティング(Community Marketing)
「商品やサービス、ブランドへの関心を共有しそうなコミュニティ(ユーザー・グループやファンクラブ、ディスカッション・フォーラムなど)を形成するか、もしくは支持し、活動を促進するためのツール、コンテンツ、情報などを提供・サポートするマーケティング手法。」
 ハーレーダビッドソンの「ハーレーオーナーズグループ(H.O.G.)」などが代表的な例といえます。
(4)草の根マーケティング(Grassroots Marketing)
 「個人レベルのボランティアを組織化して動機付けていくマーケティング手法。」
 Mozilla Foundationのオープンソースのwebブラウザに「Firefox」があります。この「Firefox」の存在を広く知らしめるための努力である「SpreadFirefox.com(Firefoxを広めよう.com)」というボランティアによるマーケティング・プロジェクトが例として挙げられます。Webサイトにはもっと多くの人にFiefoxを使ってもらいたいと思った人達が集まり,Firefoxを広めるためのアイデアを出し合い実践したり,情報を発信したりしています。Firefoxが公開された際にはそれを祝う100以上のオフラインでのパーティーが世界各地で開催されました。
(5)エバンジェリスト・マーケティング(Evangelist Marketing)
 「あなたに代わって、商品やサービス、ブランドを多くの人に対して熱心に奨励してくれる伝道師的な人を育て、またその活動を支援するマーケティング手法。」
 アップルコンピュータが非常に有名な代表例といえるでしょう。
(6)種まきマーケティング (Product Seeding)
 「適切な商品を適切なタイミングに適切な対象に提供し、商品やサービスに関する情報もしくはサンプルそのものを影響力のある個人に提供することで口コミを発生させるマーケティング手法。」
 近年、購買に結びつかないという理由で街頭サンプリングは減少傾向にあるそうです。代わりに店頭でのお奨めサンプリングや応募型サンプリングが増えています。応募型サンプリングに着目したサービスの例として「サンプル百貨店」というサイトがあります。(http://www.3ple.jp/contents/index.jsp)。このサイトでは消費者に各社のサンプルを紹介・提供し、意見を集め、企業にその情報をフィードバックするほか、消費者と一緒になって商品開発モニターの役割を果たしています。
(7)インフルエンサー・マーケティング(Influencer Marketing)
 「商品についてより情報発信をするなどより多くのユーザーに影響を及ぼすことのできるコミュニティやオピニオンリーダーを対象に仕掛けるマーケティング手法。」
 伝統的には映画の試写会へのオピニオンリーダーの招待がこれにあたります。また最近注目を集めているブログの世界では、アルファブロガーとよばれる影響力のあるブロガーの活用への取り組みが行われはじめています。
(8)社会運動マーケティング(Cause Marketing)
 「特定の社会運動・主張を支持する立場を表明することで、熱心な運動参加者の敬意とサポートを得るためのマーケティング手法。」
 有楽町駅前などで、ホームレスの人たちが販売している雑誌「ビッグイッシュー日本版」をご存知でしょうか。ホームレスの人しか売り手になれないこの雑誌は、ホームレスの救済(チャリティ)ではなく、彼らに仕事を供給することで自立のサポートを目指しています。「ビッグイッシュー」は元々英国で大成功し世界に広がっていますが、背景にはこの事業の社会的意義とそれをサポートする参加者の存在があります(http://www.bigissuejapan.com/index.html)。
(9)話題創造マーケティング(Conversation Creation)
 「口コミ活動が発生するように設計されたおもしろく奇抜な広告、メール、キャッチフレーズ、エンターテインメント、キャンペーンなどを実施するマーケティング手法。」
 フジテレビの「クイズ$ミリオネア」。1998年にイギリスで制作されたこの番組の「ファイナルアンサー?」は有名なキャッチフレーズとして番組の人気の一翼を支えています。
(10)ブランド・ブログ・マーケティング(Brand Blogging)
 「ブログを開設し、オープンで透明なコミュニケーションを心がけて運営し、ブログコミュニティの話題となる価値ある情報提供を行うマーケティング手法。」
 日産自動車の「TIIDA BLOG」は日産「ティーダ」の日産による公式ブログです。コミュニティを作る目的は当初なかったようですが、結果的に双方向のコミュニケーションが生まれました。
(11)紹介プログラム(Referral Programs)
 「商品やサービスに満足したユーザーが、友人を紹介するために便利なツールを提供すること。」
 友人に渡せる商品・サービスの案内チラシ、紹介した方・された方が割引等の特典を享受できるお友達紹介キャンペーンなどが含まれます。

こうしてまとめて頂けると、非常に分かりやすくなってくる。クチコミ
をどんな側面から考えるか、ということに関して上の11個の施策ベースに
考えていくと新しいアイディアが生まれやすそうですね。

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