そこにお湯という接着剤をつける。

キーワード:シルバーエンターテイメント

「シニアになると、新しく人と会うのが億劫だ」という人がいる。
確かに、ただ漠然と人と会い、共通の話題をなんとか作り、
人付き合いをしていくのは面倒なことだろう。
だが、そこに「接着剤」があればどうだろうか?
シニアの間では、社交ダンス、料理などの「お稽古ごと」を習う
人が多い。それは一緒にステップを踏む、味を確認し合うなどの
作業を通じて、自然と友人になってしまうからではないだろうか。
東京都品川区では、「それは仲良くならざるを得ない」と納得
してしまう接着剤を区民に提供している。
それは、「お風呂」である。
「出会いの湯」として、公衆浴場の入浴開始時間の前に、
シニアの方々限定で無料でカラオケや体操を楽しんだ後、皆で
銭湯に入る、というイベントをやっているのだ。
私としても、温泉にゆったり浸かっていると和やかな気分になり、
つい隣のお客さんと「気持ちいいですねぇ」から始まり「どこから
来たの?」「意外と近いところに住んでますね」と会話が弾んで
しまった経験がある。
また、参加したくても足元に不安がある人には、ボランティアが
行き帰りを付き添う。
「出会い」はシニアにとっても楽しい娯楽である。
それをいかにスムーズにいかせるか、それがこれからの課題なの
ではないだろうか。
参考:品川区福祉高齢事業部「しながわ出会いの湯」ホームページ
http://www2.city.shinagawa.tokyo.jp/jigyo/02/06/01/ikiiki_guide/deainoyu.html

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