シニア向けコンビニ戦争
キーワード:マーケティング
シニアを狙うコンビニの動きが盛んだ。
ゲンダイネット
ターゲットが近づいてきた。ローソンの新浪剛史社長にとって、団塊の世代が続々とリタイアする07年は勝負の年だ。
シニア向けコンビニ――。新浪社長が昨年から投入してきた新業態だが、準備段階は終了し本格始動体制に入る。
「当初はシニア向けを前面に出す戦略でしたが、最近はシニアから3世代向けを強調し出しています。シニア向けと声高に叫んだら、われわれはシニアじゃないと団塊世代はソッポを向く。方向転換でしょう」(コンビニ関係者)
そういったことを考えるのはローソンだけではない。ライバルもこの動きを
敏感に察し、さりげなく、あくまでシニア扱いしている雰囲気を出さずに、
心配りを始めたという。
セブン―イレブンも「ご用聞き」サービスを充実させ、全店の7割程度で「出前」を実現させる。それだけじゃない。セブンは品揃えも密かに変えた。例えば男性用の整髪料。ちょっと前には売っていなかった団塊向けのヘアリキッドをさりげなく置く店を増やした。そのそばには30~40代向けのムース系と、10~20代に人気の高いジェル系が並ぶ。いつの間にか3世代対応コンビニに変身中だ。コンセプトは「ローソンプラス」に近い。
ただ、個人的にはセブンの御用聞きのサービスはまだ店員のところまで
降りてきていない気がしている。一度、セブンでこのサービスを見つけ、
問いかけたことがあったが、「ネットで見れば分かるんじゃないですか?」
とご案内してくれたことがある。もしくは、「え?そんなサービスがあるんですか」
と逆に聞かれたり・・・。
きっと、そういう姿勢では、「ご用聞き」サービスとして、シニアの心を
掴みづらいだろう。ご用聞きをすることで、顧客がどんな行動をするのか。
そのときに何を徹底しなくてはいけないのか。
そこには確実に人材教育の視点が重要だ。各社、コンビニ業界がしのぎを
削り、市場に適応していく中、コンビニの店員がどう変わるか。意外に経営
課題はそんなところにもあるかもしれない。