『好若思想』と『好老思想』

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若いことがいいことだ、という思想、それは『好若思想』と呼ばれる。それに対し、反対に老いたことはいいことだ、という思想、それは『好老思想』と呼ぶ。
そうした際に我々は基本的には『好若思想』の社会に生まれ育っている。しかし、実はこの思想が喜ばれたのは古代と近代だけだ、と堺屋太一氏は「高齢化大好機」の本の中で言う。

中世では西洋でも東洋でも尊敬する人は年齢以上に老けて描かれている。キリスト経の十二使徒の顔を見ると、ほとんどが中高年に描かれている。しかし、実はキリストは33歳で亡くなっている。もう少し若めに描かれてもいいはずだが、そうではない。少し老け気味。また、東洋における七福神さまも基本的には年寄りが多い。

経験をつんだ人に福がある、という思想が強いからだという。しかし、よくよく考えると、『好老思想』とは人生の先輩に敬意を示すという当たり前のこと。そろそろ、『好老思想』が日本に復活してもいいのかもしれませんね。

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