3倍スローにしてみよう。
キーワード:マーケティング
NTTドコモは九日、相手の声を実際よりもゆっくり聞こえ
るようにできる技術を、携帯電話に初めて採用したと発表し
た。操作が簡単なシニア世代向け携帯電話「FOMA(フォ
ーマ)らくらくホンII」を十九日から販売する。
富士通製で、同社が開発した「話速変換技術」を取り入れた。
「ゆっくりボイス」機能と名付け、音声会話中にキーを押す
と通常より三割程度遅く聞くことができる。この機能を使う
と、会話のテンポが合わなくなってくるが、会話中の言葉と
言葉のすき間を利用して相手の声を伸ばすので、違和感なく
相手の話を聞き取りやすくするという。
面白い技術である。確かに携帯で「聞き取れないこと」は
単純にストレスである。それを今回はキーを押すだけでゆ
っくり聞くことが出来る。会話と会話の間の無音状態を利
用しているために、違和感も無いという。
今まで技術とは、最先端な研究所の中での「進化」がメイン
トピックだった。しかし、あらゆる「進化」を経た中であら
ゆることが情報洪水・付加価値洪水を起こしていると思う。
進化した最先端機能を使える人は実は一部で、その小さな
コミュニティーでは称えられるが、一般社会には浸透しない
ことというのは実は多い。
そうしてくると、その「最先端」は次の「最先端」までの期間
限定の話題提供的な価値にしかならないのかもしれない。3倍
早く、3倍使える機能を追い求めた時代から、その間逆のアプ
ローチ「3倍スローに」は生まれている。
何かを3倍スローにしてみる。
その発想で商品開発をするとまったく新しい発見が出来るかも
しれませんね。
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CNET