高齢者とmp3-驚愕なmp3人口の増加-。
キーワード:シルバーエンターテイメント
まずは、現在の高齢者のおさらい。以下のようなことはよく言われる。
1.「2001年時点では高齢者世帯1世帯あたりの現実の貯蓄残高は
必要貯蓄残高を311万円上回っている」
2.「高齢者の消費の中で伸び率が高いものには若者・中年型商品が多く、
意外にも高齢型商品の伸びはあまり高くない」
3.「余暇関連商品については、供給サイドが工夫して高齢者のニーズに
あった余暇商品を提供することができれば、需要は大きく拡大する可能性を
秘めている」
UFJ総合研究所の調査レポート「潤沢な貯蓄が押し上げる高齢者の消費」より
その上で私はその余暇商品の包括的なブランドをシルバーエンターテインメント
と銘打っている。シルバーエンターテインメントという言葉を作ったのは私が
初めてである。その上で今回は、高齢者と音楽、もとい、mp3の需要についての
話を論じたいと思う。mp3とは、音楽ファイルの拡張子の一つだが、現在では、
音楽ファイルのダウンロードとの兼ね合いで紹介されることのほうが多いだろうか。
多くのサイトで、mp3を商業的にインターネット上で販売しているのである。
このmp3やそれに関連した音楽サイトに高齢者が頻繁にアクセスしているという。
Media Metrixの2000年の調査結果によれば2000年6月に、
50才以上のアメリカ人681万1000人が音楽に関連したウェブ
サイトを訪問している。これは1999年6月に比べて92%の増加だ。
そういえば、「古き高齢者像」では高齢者の音楽はイコールそのまま
演歌であった。しかし、何もそのジャンルに限らないとよく言われる。
よく考えるとこの世代はかつてビートルズに目覚め、グループサウンズ、
ニューミュージックで青春を送り、lpレコードを楽しんだ。
しかし、時代は進み、lpレコードはcdになり、mp3になった。
データはアナログからデジタルに移行してきた。
lpレコードとmp3を比べてその応用性がmp3の方が高いことは
明白である。高齢者がそれに興味を持たない、とする理論に
整合性は本来ない。
ここにおもしろいデータがある。
音楽関連訪問者の数である。
実は2000年6月当時、50才以上の訪問客をReal.comでは273万6000人集め 、
96万6000人集めた Windowsmedia.com があり、
さらにニッチ音楽娯楽サイトとされている Planetofmusic.com が
73万3000人、 Mp3.com も44万8000人を集めている。
高齢者とmp3は除々にリンクしだし、今後両者の接点はさらに深くなっていくと
だけはいえる。Media Metrix の社長、Doug McFarland 氏は「オンライン
音楽の利用者は若い聴衆に限定されているという固定観念があるが、音楽サイト
はより高齢のアメリカ人にますます人気がでてきている。
この伸びつつある層に注目することは、インターネット マーケッターにとって重要に
なるだろう」と語っている。
高齢者と新技術。意外なところでのマッチングはほかにもまだまだあるかもしれない。