マット・カッツが語るページランクの受け渡しに関するSEO裏話

キーワード:Googleのマット・カッツによる解説 , SEO対策 , コンテンツマーケティング

今回は、googleマット・カッツの動画から、被リンクおけるページランクの受け渡しの裏話をご紹介します。


ページランクはどのように受け渡される?

今回の質問はイギリスから寄せられた質問です。

「あるページにおいて、同じURLのリンク先に異なる2つのアンカーテキストでリンクされている場合、ページランクの流れはどのようになるのでしょうか?」


針の上で何人の天使が踊れるかを議論するような無意味な問いのようにも思えますが、お答えすることにいたしましょう。
SEOを考える上においてリンクが重要な要素で、多くの人々がこういった問題に頭を悩ませているということも理解はしていますので。

でもくれぐれも、SEOで重要なのはこのような些細な問題ではなく、サイトの構成を考え、ユーザエクスペリエンスを改善し、ページスピードの改良に頭を悩ませることであり、今回の質問のような内容は取るに足らないものであることは念頭に置いておくようにしてくださいね。


まず、論文にも書かれているページランクの原則論からいうと、1つのページから2つのページへリンクが張られていた場合、両方のページにページランクが流れます。リンク元ページのページランクは均等に2つに分けられ、発リンク先へと渡される形です。
ですので、1つのページからあるページに対して2つのリンクが張られている場合、そのページに流れるページランクは単位量あたりの2倍になります。
(あくまでもページランクの”原理”における話です)

今回のご質問は、この場合においてアンカーテキストが異なった時どのようなことが起こるのか、ということなので、この質問に額面通り答えると、「アンカーテキストが異なってもページランクの流れには影響を与えません」という回答となるのですが、この答えが求めるものでは無いでしょうから、今回のケースがページの評価に対してどのような影響を与えるかについてご回答してみようと思います。

リンクの評価においては、リンクの抽出プロセスというものがあります。あるページのリンクについていくつかピックアップを行い、そのリンクについて確認した内容を注釈として付与するものです。

このリンクの抽出については、あるページの1つのリンクについて行われることもあれば、2~3個のリンクのこともあればすべてのリンクに対して行うこともあります。私がこのフローについて最後に確認したのは2009年のことでしたが、この際は1つのページについて1つのリンクの抽出を行い、チェックをしていました。

ご質問のケースにおいては、このリンク抽出プロセスにおいて影響があるかもしれません。2009年のある時期のアルゴリズムにおいては、「どちらか1つのアンカーテキストが評価の対象として選ばれていた」というのがご回答でしょうか。


ただ、重ねてお伝えする通り、このようなことに頭を悩ませる時間があるのであれば、どのようにユーザーファネルを構成するのかや、訪問者がサイトを快適に使えるための改善などに時間を費やした方がよほど有意義です。


googleのメッセージは「ユーザーに向き合え」ということだけ

マット・カッツのこうした質問に対する回答は、いつも要領を得ないもので、最終的なメッセージはいつも「そんなことを考えるより、ユーザーに向き合え」にたどり着きます。
このような質問に対しても毎度律儀に答えるのは、アルゴリズムとSEOのいたちごっこから抜け出したいgoogleとしてのキャンペーンの一部でしょうか。

マット・カッツは明言しませんでしたが、実際にはリンクの評価はアンカーテキストの関連性が大きな影響を与えるため、今回のケースであればそれぞれの関連性が評価に盛り込まれる形になるのではないでしょうか。

ただ、マット・カッツが言うことももっともで、こういった要素は確かに存在しますが、一時的な要素のためそれを追い求めることに長期的な価値は無いかも知れません。
ユーザーのためのサイトの価値は一過性ではなく、長期的な資産となるため、そのための対応の方が優先度が高いことは確かと言えます。


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