止まらないアンチ定年の流れ
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シニアは元気だから定年を引き上げるべき、という論は以前から盛んであった。しかし、今回飛び込んできたニュースはアスクルが実際に定年制廃止を検討しているというニュース。
アスクル株式会社は、人材登用の活性化施策のひとつとして定年制廃止を検討しており、その第一歩として2006年3月21日より定年退職者の定年年齢を現行の60歳から65歳まで引き上げた。
シニアは働きたい、という強烈なニーズがあるが、企業はドライに人件費削減や組織の若返りを目指す傾向が強いので、今回の施策は面白いだろう。
また、60歳を超えた社員を本人の意思によって就業形態を選択できる 「就業形態選択権付正社員」とし、高齢者の豊かな経験や高い技能 を活かしながら、個人のライフプランに合わせた多様な働き方の選 択を可能にする雇用制度へと改変する。
60歳以降も退職金支給となるが、60歳で一旦退職金支給し、60歳前
の退職金ポイント積立と同一スキームを適用し、ポイントを累積、
65歳、もしくは本人より退職申し出があった際に、累積ポイント
100%分を支給する仕組みとする。現在の状況は、60歳定年後雇用
している現契約社員、55歳以上社員の構成比が約5%となっている。
現場での既得権益を主張したり、後継者が育たないような弊害も考えられるものの、やはりシニアは知恵もノウハウも多く持っている。そのパワーをどう生かすか?
これは間違いなく、今後の企業戦略にとって重要なファクターになって
いくだろう。