googleがサービスに求める「歯ブラシテスト」とは?
キーワード:コンテンツマーケティング , 最新WEBトレンド
「歯ブラシテスト」という言葉をご存知でしょうか?
google 創業者の一人であり現CEOであるラリー・ペイジが、2009年にgoogleのサービスを説明する際に用いた譬えです。
皆さんが自社のサービスを振り返る上でも活かせる考え方かと思いますので、紹介してみたいと思います。
Googleのラリーペイジが説く「歯ブラシテスト」の重要性
「歯ブラシテスト」がどういうものかというと、考え方はごくシンプルで、
“歯ブラシは1日2回使用する。そのサービスは、歯ブラシのように、毎日2回以上訪問し、活用する価値のあるサービスか”
というものです。
この考え方は、ソーシャルやSaas型のサービスに適用される考え方です。
ECサイトの場合1日2回という指標は極端ですから、この場合は月に1度は定期訪問をしてみようと思えるかどうか、というところが基準となってくるでしょうか。
米国で、月に1度新商品を発表することを習慣化することで、ユーザーの定期訪問を促し成功を収めたFrank&Oak などが良い例でしょう。
高頻度=大きな市場
この「1日に2回以上使ってもらえるサービス」であるということは、単純なユーザビリティの観点で重要だというわけではありません。
高頻度で利用されるサービス = 収益機会が多いサービス
と見なすことができるはずなので、「歯ブラシテストをクリアすること」とは、即ちそれだけ大きな収益を生むビジネスとしてのポテンシャルを持っているということが言えるからです。
ウェブビジネスをやっていると、ついつい目先の期間ごとのUU~訪問者~PV~売上 という、サイト上で切り取られた指標に目が行きがちですが、実際にその指標を作り上げているのは、背後にいるユーザー一人ひとりです。そのユーザー一人ひとりが、そのサービスに対してどのような頻度でどのように接しているのかを考えることに、この「歯ブラシテスト」の価値はあります。
高いLTV(ライフタイムバリュー)のサービスを作り上げることが、ビジネスにおいては極めて重要なのです。
GoogleのM&Aの基準も「歯ブラシテスト」
Googleは、積極的なM&Aを行う企業としても有名で、2003年からの10年間で、120件のM&Aを行って来ています。 現在の我々のビジネスを囲んでいる多くのgoogleサービスは、これらのM&Aにより広がってきています。
(余談ですが、この120件のうち、1/3のM&Aは失敗だったとgoogleは述べています。残りの2/3の成功がこれまでのgoogleの躍進を支えていることを考えると、失敗を恐れずリスクを取ってチャレンジすることの重要性も考えさせられます。)
GoogleのチーフM&A 担当であるドン・ハリソンは、googleのM&Aの基準の一つがこの「歯ブラシテスト」であることを述べています。 M&Aは、これから大きくなるであろうビジネスへの投資となるため、買収時点でその価値を判断することが困難であることが大半です。
そんなM&Aの判断基準に、「歯ブラシテスト」という身近なものを使った考え方が使われているというのも面白いですね。
あなたのサービスは、歯ブラシテストをパスできそうですか?