googleがHTTPSをランキングシグナルとすることを公式発表
キーワード:SEO対策 , コンテンツマーケティング
8月6日、米国googleがSEOに関わる比較的大きなニュースを発表しました。
「ウェブサイトがHTTPSで構成されていることを、ランキングシグナルとして取り入れる」というものです。
今回は、その内容について取り上げます。
まず、Googleの公式ブログの内容を見てみましょう。
・・・Google では過去数か月にわたり、Google のランキング アルゴリズムでのシグナルとして、暗号化された安全な接続をサイトで使用しているかを考慮に入れたテストを実施してきました。この実験ではよい結果が得られているため、ユーザーがもっと安全にサイトを閲覧できるよう、すべてのサイト所有者の皆様に HTTP から HTTPS への切り替えをおすすめしたいと考えています。
以下の基本的なヒントもご確認ください。
- 必要な証明書タイプを決定します: シングル、マルチ ドメイン、ワイルド カード
- 2048 bit の証明書を使用します
- 同じ安全なドメイン上にあるリソースには相対 URL を使用します
- 他のすべてのドメインにはプロトコル相対 URL を使用します
- サイトのアドレスの変更方法について詳しくは、サイト移転に関するヘルプ記事をご覧ください
- robots.txt を使用して HTTPS サイトへのクロールをブロックしないでください
- 可能な限り検索エンジンがページをインデックス登録できるようにします。Noindex メタタグの使用は避けます。
・・・(中略)・・・
このランキングの変更は、グローバルでクエリの 1% 未満にしか影響しませんが、これから長い期間をかけて強化していきます。全体的に見ると、このシグナルは良質なコンテンツであるといった、その他のシグナルほどウェイトは大きくありません。HTTPS は、優れたユーザー エクスペリエンスを生み出す多くの要素のうちの 1 つです。
今後、より多くのウェブサイトで HTTPS が使用されることを期待しています。ウェブの安全性をさらに強化しましょう。
米国版元記事 “HTTPS as a ranking signal”
日本語翻訳記事「HTTPS をランキング シグナルに使用します」
HTTPSがランキングシグナルになった理由は?
Googleは、これまでもHTTP/HTTPS における取扱いについて、度々言及してきていました。
Goolgeのウェブマスター・トレンドアナリストであるジョン・ミュラー氏などは、これまでもずっと、「HTTPSはSEO上のアルゴリズムではないが、今後重要な要素となり得る」という旨を度々発信してきています。
また、Google I/O というイベントでも、”HTTPS everywhere(あらゆるサイトをHTTPSに)” というセッションを開いています。
これらからも、GoogleがいかにHTTPSを重視してきているかがわかります。
これらの背景には、昨年以降、Googleが秘密裏にアメリカ当局への情報開示を行っているとの疑いに対する批判からGoogleが矢面に立たされる機会が増え、Googleの長期的な戦略方針として、情報に対するセキュリティに対する関心が高まっていることが挙げられます。
Google検索結果がSSLとなり、解析ツールで取得できるキーワードデータが”Not provided” となってしまったことも源を同じくしています。
Googleが長期的にユーザーにとって有益な検索エンジンであり続け、多くの利用者を獲得し続ける上で、「ユーザーにとって安心して利用できる検索エンジンであること」が重要な要素であることは至極納得できるものですし、そういう意味でも、Google自体がセキュアであり、また同時にセキュアなウェブサイトを評価していくであろう、という方向性についても今後大きく変わることは無いと考えられます。
HTTPSがランキングシグナルになることで何が起こる?
HTTPSを導入するためには、費用がかかります。これは個人のサイトや低収益で運用しているサイトにとっては、馬鹿にならない金額です。
これまでは、SSLの導入はECサイトや問い合わせフォームなど限られたページで展開されるケースが多かったですが、今後は全面SSL化のトレンドが加速していくかもしれません。
また、このトレンドが明確になれば今度はSSLのサイトが信頼性の高いサイトであるという傾向がより強まり、例えばSSLサイトからの被リンクは非SSLサイトからのリンクよりも評価されるようになる、といったことが起こるかもしれません。
今後は、SEOを進めるうえでも「サイトのセキュリティ」が無視できない要素となってきそうです。