ちょいワルはモテない?
キーワード:マーケティング
「ちょいワルがモテる」はインチキだ
「そろそろ、ちょいワルがモテるという幻想から抜け出した方がいい」「女性が本気で寄ってくるのは、仕事とカネに余裕ができる50歳になってから」
チビ、デブ、ハゲでもオヤジはモテると主張する「なぜかモテる親父の技術」(ベスト新書)。著者は、毎日新聞社会部副部長、「サンデー毎日」編集長を経て、現在は「週刊金曜日」編集長という硬派ジャーナリストの北村肇氏(54)だ。自身の頭髪もチト寂しい。
「仕事柄、作家や業界人などびっくりするほどモテる男を間近で見てきました。ところが、『なぜコイツが?』という男が必ずいる。よく観察してみると、そういう人は自分を等身大で語り、自然体にしているフツーのオヤジなのです。私は、“ちょいワル”を気取ってモテている人物を見たことがない。努力してペ・ヨンジュンや田村正和みたいになれるんだったら、こんなラクなことはないのです」
大爆笑。率直な意見かもしれないですね。
最近よく聞くのがそれに対して「あれは外人だからかっこいいんであって、
普通のおじさんには厳しいよ」という声がちらりほらりと聞こえてくる気が
します。
そういえば、藤原紀香をモノにしたのも、背の低い男だった。志村けんはハゲなのに、よくモテる。では、フツーのオヤジの武器は何か。
「小じゃれたバーではなく、いつも通う居酒屋に誘って政治の話でもすればいい。若い世代の男は感覚だけで小泉支持が多かったが、私の周りや団塊世代は、『人生いろいろ』『心の問題』なんていう人間のうさん臭さが分かっている。『同世代と話しても刺激がない』と言う若い女性にオヤジの経験を素直に聞かせてやればいいのです」
でも、やっぱりオジさんは見てくれで気後れしてしまう。
「OLネットワークを組織する池野佐知子さんに『チビ、ハゲ、デブはペケですか?』と聞いたら、『まったく気にならない』と言う。女性が嫌うのは、ハゲを気にしたり、デブをウジウジ悩むタイプなのです。若い歌手の曲を覚えて若い子に擦り寄ろうなどとは愚の骨頂。普通にしていることが大切なのです」
この本を読むと、フツーのオジサンは確実に元気が出る。
確かに、私の周りの尊敬するかたがたはみんないつだって自然体でそのくせ
かっこいい気がする。若者に合わせるのではなく、「通」な食事を食べ、「粋」な
話で盛り上がる。
こんな姿は若者視点で見ても、普通にかっこいい大人。若者が憧れるシニア
コミュニティーってなんだろう、と考えたとき、「通」で「粋」な「自然体」という
3つのキーワードは重要かもしれない。
後は、その3つのキーワードで、何もしなくても気さくに話せるような状況を
作り出すこと。飲み屋では、ちょっと愛想のいい店員さんと、おいしい食事と、
頑固っぽい顔のマスターがいれば成立しちゃう気もするのだが、そのくらい
気さくで楽チンな。
結局、webサイトしかり、マーケティングしかり、おいしいものをたくさん食べ、
いろんなものをたくさん見てきた世代には左脳的なものに加え右脳的な直感的
に気持ちのいい商品が非常に重要になってくる、と個人的には思っている。
なんとなく気持ちいい。なんとなく楽。
まるで優しく撫でてくれるかのように心の琴線に触れるような商品開発を
したいですね。