恋愛適齢期

キーワード:シルバーエンターテイメント

小堺一機氏の恋愛適齢期のレビューが素敵だ。
小堺一機のCINEMA JUNKYより


普通の恋愛映画よりも登場人物の年齢はかなり高めですが、
とてもいいと思ったのは、年齢ありきで「シニア世代の恋愛映
画」を意識していないところです。日本でこの世代の俳優を使
うと、どうしても「しっとりした大人の恋愛映画」というふうにな
ってしまいますが、実際のところ歳を取ったら誰もがたそがれ
るわけじゃないし、今の60歳なんてびっくりするくらい元気で
しょう。エリカもハリーも同じで、若い頃に戻りたいとは思って
ないし、今の生活を楽しんでいます。その2人が出会って、
最初は反発しながらもやがて惹かれ合っていき、と思ったら
36歳の好青年があらわれて、エリカは大いに揺れる。
一方はじめて20代以上の女性を知ったハリーは、感情をどう
理解していいのかわからない。やがて2人は……というのが
おおまかなストーリー。

年齢ありきじゃないシニアの映画。これは確かに面白い視点である。
「愚かなエイジズム。人間は一人一人がなぞに包まれている」とは
石田衣良の言葉だが、そういう要素も確かにある。
年齢によるセグメンテーションを横軸にとった上で、縦軸にキャラクターが
来る。多様性、と言えば聞こえはいいが、要はバラバラ。色んな人がいて、
交錯している。
では、高齢者マーケティングなんて可能なのか?
と言う人がいる。というか、ほとんどの人はここで挫折している。
彼らが呟くのは、「そうだよな。年齢だけじゃ分からないよな。」という悲哀な
声だ。
しかし、見えないようで見える共通項は静かに存在している、ことを弊社は
突き詰めた。その「共通項」は年齢ではないし、文化かと言うと、それはそれで
近いがクリティカルではない。
「わかった、それがシルバーエンターテインメントなのね」
というかもしれない。それは正解だが、そのシルバーエンターテインメントの中の
更なる「各論」の分野だ。ここからは弊社のコンサルティング内容に関わってくる
のでなかなかお伝え出来ないが、ヒントとなる問いかけを一つ。
–シニアの多様性を生み出す要因はなんですか?

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