高齢者が高齢者を介護する。
キーワード:健康・ヘルスケア
介護保険制度改革の目玉である新介護予防サービスが2006年度
から本格実施されるのを前に、茨城県は研修を受けた元気な高齢者
を「シルバーリハビリ体操指導士」として独自に認定する制度を4月から
導入する、と四国新聞が報じている。
この制度の興味深いのは、高齢者が高齢者を介護する点である。
実はこの現象はよく見受けられる現象である。70歳が全く違和感なく、
60歳を介護する現象さえ、見受けられる。決して、不思議な話ではない。
年齢は健康の最終決定要因ではないのだろう。
私はここに人の世話をする、ということに対するそもそもの矛盾を感じる。
つまり、介護をされる人は不思議なことにどんどん・・・衰え、
介護をする人は不思議なことにどんどん・・・活気付く・・・。
そういう不思議な現象が起きていることへの矛盾だ。
自分がしっかりしないと・・・という責任感であるとか、刺激が重要という結論
なのだろうが、そういうものはほとんどの場合、60歳の引退の時に強制的に
駆除されてしまう。仕事から解放される、だけではなくて、やっていたことが
急になくなってしまうのだ。
そうしたときに重要なのは、シルバーの職業安定だ、という人もいる。
しかし、私は違うと思う。
シルバーエンターテインメントだ。
つまり、無我夢中で楽しめる極楽浄土だ。真剣なエンターテインメントは、
人の心を躍動させ、全身を活性化させることが出来る。介護-被介護の
矛盾はない。しかし、いつまでたっても、予防介護、の究極はシルバー
エンターテインメントだ、という結論が国からは出ない。厚生省の老健局の
施策は世界でも稀有ないい理念で作られているのでそれは残念だ。
介護予防をするためには、「その先の未来」を創る必要がある。単純な
リハビリよりつらいものはない。楽しい未来が待っていると思うから、
ようやくリハビリが出来る。それなら、その楽しいエンターテインメントを
構築せずに、リハビリは究極的には成り立つはずがない。
例えば、老健が本来の目的である家庭回帰をするためにも、リハビリをした
後の最高に楽しい未来を構築する必要がある。
それがシルバーエンターテインメントなのだ。