中国で高齢者の一人暮らしが80%に?

キーワード:世界の事例

中国と言えば、儒教である。老人ホームなどの施策に対しては否定的である、
というイメージがあり、身内の特に親族に関しては介護をするのは当然、という
観念がある、と言われる。
しかし、Xinhuanet(China View)のまとめた資料では、意外にもそうではなさそうな
数値が出てきている。
  中国の都市部の高齢者の80%は、2010年までに一人暮しをするという。
  「Xinhuanet」(10.25)に、中国老化研究センター(CRCA)の統計が紹介され、
  それには現在中国の独り住まいの高齢者は2,340万人以上。
  その30%が都会生活者。中国の天津では2年前に62.5%を超した。
  この現象に対して、中国老化全国委員会の当局者は、6年後には
  高齢者の80%が一人暮らしになることを認めた 。
  
6年後と言えば2010年である。2010といえば、日本の団塊の世代が60歳以上
になる節目の時期としてよく紹介される。世界の高齢化の中で2010年というもの
は一つの節目になりそうだ。
中国の高齢化は特殊な要因もある。それは一人っ子政策の波紋である。中国での
一人っ子政策の一番難しい点は実際の人数がわかりづらくなってしまった点である。
一人っ子政策によって、二人目が生まれても隠す、という現象も生まれているのだ。
その辺りが潜在的な層としてどの程度いるのかはなかなか統計が取れない点でも
ある。
しかし、そうは言っても一人暮らしが80%になるというのは衝撃的だ。理由は
中国のグローバル化。働きに出ている若者世代のライフスタイルの変化がなかなか
親の面倒を見れなくなってしまっているらしい。
私には願いがある。
今後、中国に「一人暮らしのシニアが楽しめるコンテンツ」が生まれてほしいと
いうものだ。一人暮らしだからと言って、寂しいだけか、というとそうではない。
一人暮らしで肩の荷が外れ、むしろ活発に精力的に世の中を楽しまれている方も
大勢おられる。
そういう楽しむためのバックボーンつくりが、この高齢社会をエンジョイ出来るか、
出来ないかの大きな鍵になると思われる。
私は儒教の親を大切にする姿勢には大いに賛同している。その通りだと思う。
是非、その精神を活かしたエンターテインメントコンテンツを作っていって、自分の親や
祖母、祖父の世代に本当の恩返しが生まれればいいな、と思う。

上へ戻る