冬のソナタとシニア女性「ヨン様ー」
キーワード:シルバーエンターテイメント
最近、中高年の女性を中心に人気を集めているのは「冬のソナタ」
というドラマである。他のテレビドラマと違い「冬のソナタ」の視聴率を
支えているのは、50~60歳代の女性。
パワフルな女性がヨン様ーと叫んでいる姿をテレビで何度か見たことがある。
この特徴を陣内孝則氏がこう話していたことを聞いたことがある。
「いやあ、このドラマは最近のドラマとは確実に違うんだよね。なんかさ、最近の
ドラマっていうのはさ、『ながら』に合わせるんだよね。ご飯を食べながらテレビを
見る、勉強をしながらテレビを見る。そうしても基本的にはストーリーが理解できる
ように作ってあるんだ。」
でも、この冬のソナタは違うと言う。
最近のではなく、昔のドラマに近い。目で見ていないと当然理解できるとは思えない。
たくさんの仕掛けがあり、大逆転劇があり、でもどこか懐かしい雰囲気を醸し出す。
≪遠い昔の「初恋」を思い出させるような「純な心」を
私は感じました。
あ~!あの頃に戻りたい・・・。 ≫
≪一番惹かれたのは、随所に見る映像の美しさでした。≫
≪そして、ヨンさま以外の黒髪がステキでした。
日本人も奇麗な黒髪を大切にできたらいいですね。≫
又、どうも、冬のソナタの物語は昔の少女漫画の脚本に似ているという。
その懐かしさから楽しい、という感情を誘引しているようだ。
韓国映画の公式について、Younghee Ahn(アン・ヨンヒ)氏はこう
語っている。
1.ヒロインは貧しい。だが、性格はとても明るくお転婆で、周りの人たちを陽気に
させてくれる。
2.従って、周りの人たちも彼女をとても大切にするが、必ず彼女のことを快からず
思っている輩がいて、彼女を不幸のどん底に陥れる。または、唯一の身内
またはそれに近い人物がとんだ食わせ物で借金などをこしらえてそれの
肩代わりをさせる。
3.ヒロインは、偶然に一般の人はどう転んでも会えそうにない財閥2世、または大
金持ちに出会う。彼らは最初ヒロインを馬鹿にしたり、ヒロインの大事なものを
壊したりする。彼らは、格好よくて、スポーツ万能で女にモテモテだ。
4.ヒロインは、プライドがとても高く高貴なので、財閥だろうが、大金持ちだろう
が関係なく間違ったことに対して非難する。特に、一発びんたを食らわす。
5.必ずヒロインとは正反対でお金持ちでスタイルもいいライバルの女性が現われる。
彼女たちはヒロインを馬鹿にし、またはすでに財閥2世の婚約者である。
6.ヒロインと財閥2世が恋愛感情を芽生えさせる頃には必ず相手側の家族の猛反対
がある。大体母親が寝込んだり、父親が倒れたりする。決め台詞は「私の目に土
が入ってもダメ(日本語だと、『目の黒いうちには絶対結婚させない』)」だ。
7.家族の反対に押し切られたり、対抗できても、実は出生の秘密などがあるなど、
意外な事実で結局結ばれない二人。
8.それを苦しむ二人。出生の秘密がなければ、ヒロインの一途な姿に感動を覚え家
族の反対もなくなりハッピーエンド。闘いに負けた親たちが必ずいう台詞は「子
に勝つ親はいない」という韓国の格言である。
確かに昔の少女漫画に出てきそうな設定である。
そうした昔のストーリー、いかにもな設定、と考えるところにニーズはあるの
かもしれない。