高齢者の天国。

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世界には色々な高齢者フレンドリーな施策がある。
例えば、意外にもダウンタウンは意外にも高齢者フレンドリーである面がある。
確かに、たくさんある小さい店は、彼らの弱みに付け込み決して安くは売らないし犯罪の発生率も高い。
しかし、興味深いシステムがある。
高齢者は社会保障給付金、軍人退職金、助成金などを酒屋やバーゲン店で使っている。
当然、その近くには年金小切手を現金化する銀行や、またいくつかの居住施設がある。
そうすると、皆で集まって気軽に飲もうか、という話になる。
楽しく飲んでいると、そこでお金を使う。
それによって、地域が活性化しているというのだ。
店員は常連さんでる高齢者の顔を覚えて愛想のいい態度をする。
自然と高齢者にとって住みやすい空間になっていく。
つまり、これは高齢者が楽しく日々を暮らしているうちに、いつのまにか「社会貢献」出来ていると
いうモデルである。非常に興味深い。
また、サンシティという高齢者フレンドリーなモデルもある。
サンシティというと、サン市か、と思うかもしれないが、実は未自治化地域といい、
消防局以外の地方自治体的な存在を持っていない。
しかし、治安はよく、雑誌などでは「老人の天国」などと騒がれたこともあった。
ここは、アクティブアダルトコミュニティという考え方を中心に置いている。
気候が温暖なアリゾナ州、ネバダ州、カリフォルニア州、テキサス州など
全米で13か所ほどあり、引退後の人々が集まっている。
では、未自治というと、誰が作ったのか?
実は、デル・ウェブ(Del Webb)という不動産会社によって作られ販売されている。
1960年に最初のサン・シティが作られ、現在では合計9万人以上の方が各地のサン・シティに
住んでいる。
なんと驚異的なことに、これは民間会社が作り上げた共同体なのである。
言ってみれば、高齢者のためのディズニーランドといったところだろうか。
非常に興味深い。
サン・シティは、それぞれ完全に一つの市になっており、中には病院、教会を始めショッピング・センターなど生活に必要な施設は一通りそっている。また、レクリエーション・センターではいろいろな運動もでき、さらに本格的なゴルフ場も、一つのサン・シティに対して10前後整備されている。
2000万から4000万円程度で購入できるため、日本の高級老人ホームレベルである。
しかし、月額料金がなく、家を買い、コミュニティを買うというイメージであるため、
そこでの生活に自由性があり、非常に生きがいを感じられるモデルになっている。
日本で老人ホームは終の住処と言われる。
しかし、サンシティでは「終の空間」を買うことが出来る。
日本でよく地域性による解決をする、ということが言われる。小規模多機能なコミュニティによる
地域解決とは、中村老健局局長の言葉だが、本当のことを言うと地域に魔法はない
地域での解決の要素還元をした上で、その要素を全て詰め込んだ空間を創造し、
不動産会社として、それを販売する。
そんな付加価値を付けるマーケットソリューション。
そういう意味でサンシティの事例が日本にも登場する可能性は大いにあるだろう。


○参考資料
都市に生きる高齢者たち-リタイアメント・コミュニティの生活/ジャニス・A・ミザース
del webb
欧米における高齢者と地域の関係
米国・サンシティー – 老人のユートピア –
○special thanks
骨董屋さん サンシティの情報を提供して頂いてどうもありがとうございました。

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