大規模なアクセス数が集まるサイトをディレクションする際に知っておきたいこと
キーワード:AmazonWebServices , cloudn , TechBlog , クラウドサーバー
ウェブサイトの運営でレンタルサーバーを利用している企業や人は多いです。しかし、マスコミに取り上げられたり、広告やキャンペーンを行ったりすると、急にアクセスが増大します。このような場合、レンタルサーバーではサービスが停止したり回線が繋がりにくくなることがあるのは、経験上ご存知の方も多いことと思います。しかし、クラウドはそうようなことにはなりません。なぜクラウドはアクセスが急増してもレンタルサーバーのようにサービスが停止せず安定稼働できるのでしょうか。調べてみました。
目次
1. 大規模サイトの障害事例
2. アクセス数増大時の対策
3. まとめ
1.大規模サイトの障害事例
ウェブサイトを運営する場合、高い信頼性が求められます。ウェブサイトを訪問した時にサービスが停止したり回線が繋がりにくくなったりしていると、企業のイメージの低下につながり、ビジネス上の機会損失となります。
しかし大規模サイトの不具合事例を調べて見ますと、昨年だけでも結構な数の事例があります。
・ファッションブランドZOZOTOWN セールで集客が増えサーバーがダウン。
・パズドラ アクセスが集中し回線が繋がらない。
・ゲームGoes アクセスが集中し回線が繋がらない。
・うたプリ アクセス集中でアプリの配信を停止。
なお、うたプリの販売会社はアプリの配信停止により株価がストップ安になり、損失は1億円とも言われています。
広告やキャンペーンまたはマスコミに取り上げられたりすると、アクセスが急増します。急激なアクセス増加に対して、対策を講じていない場合、サーバーのダウン等の不具合が発生し大きな損失をもたらします。そんなことがあると、担当者の責任問題では済まされません。それでは、どのようにしてこれを回避したら良いのでしょうか。
2.アクセス数増大時の対策
自社サーバーまたはレンタルサーバーの場合、アクセスが急増するとコンピューターが全ての処理をこなせないため、パンクしてしまいます。
これに対して、クラウドはアクセス数が急増しても負荷を分散させることができますので、サービスが停止せず安定稼働できます。クラウドは様々な企業がサービスを提供していますが、大規模サイトを運営するのであれば、国内の大手企業が安心です。その中でもなるべく価格を安く抑えたいものです。私が調べた所、NTTコミュニケーションズが提供するcloudnはワンコイン(500円)でスタートできるようでした。そこでcloudnを試してみました。失敗してもいいかなと思える金額なのであまり期待せずに試すことができます。cloudnの場合、アクセス負荷に応じて仮想サーバー数が自動で増減するAutoScaling機能とロードバランサーの自動負荷分散機能により、極めて柔軟なシステムが構築できます(図1)。
AutoScaling機能は負荷に応じて仮想インスタンスを増減させるだけでなく、スケールアウトをシステム運用管理者に知らせることができるため、リアルタイムに監視され迅速なアクションが取れます。
またロードバランサー機能はインターネットから流入するアプリケーショントラフィックを負荷分散させることや、アプリケーショントラフィックの負荷に応じてゾーン毎に負荷分散させることができます(図2)。
それではcloudnのAutoScalingとLBA機能を使って負荷分散した場合、どの程度アクセスが急増しても耐えられるのでしょうか。調べてみました。大手飲食店チェーンのIT代行を行っているAJUSTER(株)では、テレビの特番により時間あたり20万PVのアクセスが発生しましたが、安定稼働したそうです。これだけ集中しても耐えられるならば安心です。
3.まとめ
以上、大規模なアクセス数が集まるサイトをディレクションする際に知っておきたいことをまとめてみました。レンタルサーバーを利用している場合、アクセスが急増するとサービスが停止することがあります。これに対してクラウドはロードバランサーにより負荷分散できるためサービスが停止せず安定稼働できることがわかりました。サーバーを選ぶならば、リスク管理の観点からすれば、レンタルサーバーよりもクラウドを選んだ方が賢明な判断と言えます。