窪田望が国際芸術祭『東京ビエンナーレ2025』への参加が決定しました

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株式会社クリエイターズネクスト 代表取締役社長の窪田望が2025年10月17日(金)〜 12月21日(日)に開催される「東京の地場に発する国際芸術祭『東京ビエンナーレ2025』」に参加することが決定しました。

現代美術家として「AIが発展する社会の無自覚な暴力性」を問う様々な作品制作に取り組んできた窪田ですが、東京ビエンナーレでは『認知症』をテーマにAI社会における認識を問う作品づくりの企画・構想を進めています。

詳細は追ってご案内させていただきます。

 

■東京ビエンナーレについて
東京ビエンナーレは、市民と共につくる「東京の地場に発する国際芸術祭」として、2021年以来、過去2回の開催を通してアートの社会的実践を探求し、今回で3回目の開催となります。日本の首都東京は、江戸期からの豊かな基層文化をもちながら、世界有数の経済都市であり、多くの人々が暮らし、また訪れる、日本を、世界を牽引する都市です。一方で一極集中、大都市ならではの様々な社会課題、レジリエンスに関する課題も抱えています。こうした状況にアートは何ができるのでしょうか。アートは人の情動に働きかけ、人の意識、学問、ビジネスの持つ領域を横断し、ひいては社会に影響を及ぼしていく力があります。美術館の外側でも様々に展開されるアートは、より人々の営みに近づいていき、人々の暮らし、生活、仕事、社会活動などの中に溶け込み、社会課題に立ち向かう行動、倫理、コミュニティなどに働きかけることができるのではないでしょうか。東京ビエンナーレは、様々な課題と可能性をもつ東京という社会に、暮らす人々、働く人々、訪れる人々と共に飛び込み、私たちの環境や自身の生き方に新しい視点をもてるようになるアートのプラットフォームとなります。

【東京ビエンナーレのウェブサイト】https://tokyobiennale.jp/

 

■開催概要
名称:東京の地場に発する国際芸術祭「東京ビエンナーレ2025」
テーマ:いっしょに散歩しませんか?

総合プロデューサー:中村政人
共同ディレクター:並河進 西原珉 服部浩之
事業プロデューサー:中西忍

会期:2025年10月17日(金)〜 12月21日(日)(予定)
会場:拠点展示:馬喰町アートサイト、寛永寺アートサイト
アートアクション:上野・御徒町エリア、神田・秋葉原エリア、水道橋エリア、日本橋エリア、八重洲・京橋エリア、大丸有エリア
計6箇所(2025年4月8日現在)

主催:一般社団法人 東京ビエンナーレ
協力:東京藝術大学

入場券:前売券 2025年9月上旬発売予定
馬喰町・寛永寺アートサイト共通チケット 前売券予価2500円(当日券 予価3000円)

 

 


現代美術家 窪田 望の活動について

コンセプト『外れ値の咆哮』

AIの社会実装事業を推進する企業の経営者としての顔も持ち、国内外に20のAI特許を持つ窪田は、
これまでデータ解析やAI 技術を20 年来研究してきました。

AI開発の現場では入力するデータに異質なデータが混じると良い出力精度が出なくなることがあり、
これを外れ値と呼び、通常はこれを排除します。
窪田は「社会的マイノリティーなどの生活は無視されて良いはずはないのに、進化の過程で見落とされている」と
これらの実態に疑問を感じました。
作品制作を通じて、社会の中で不要とされてきた外れ値の価値を再評価し、
本質的価値を浮き上がらせるような表現を追求していこうとしています。

 

作品例:『Hand Sketch, Pencil Drawing』 CREATIVE HUB UENO “es” (東京・上野)

生成AIの現場ではよく5本指にならないトピックスが話題になります。
エンジニアは、5本指にならない指を5本指にするために大量のGPUや電気代を使ったりしますが、
果たしてその行為はただのエラー修正、と記述して良いものなのか?

「そこには排斥されているマイノリティの暮らしがあるのではないか。」窪田はそう考え、
生まれつき5本指ではなく暮らす裂手症の方に話を伺いドキュメンタリー形式の映像作品や彫刻作品、
ドローイングなどをまとめて、インスタレーション作品として展示しました。

 

巨大タペストリーには、AIのフィルターによって排除された5本指ではない画像1万点がタイポロジー的に並べられている
ドキュメンタリー映像は裂手症の当事者の方や家族などの関係者、
ドクターなどに取材することでいつのまにか進行する排斥や『普通とは何か?』といった問いを投げかける 

作品例:『バイナリ化する幽玄』HANEDA INNOVATION CITY(東京・羽田)

会場では、リアル収録された3000匹の鈴虫の音色が流れており、平安時代から続く貴族の遊びであった
「むしきゝ」の風習を、現代的な解釈で再構築する。
作品の核心は、来場者の様子をオンライン会議システム経由で間接的に体験した時にある。
観客は美しい現代灯火を目にする一方で、AIによって鈴虫の鳴き声が「ノイズ」として処理され、
消し去られてしまっていることに気づく。AIは「ノイズ」と「意味のある音」を区別するが、
秋の風流の象徴をAIが掻き消すときに、そこにはある種の排斥が内在化していないだろうか。
鈴虫の音が聞こえなくなったオンライン会議システムを通して、
進化するAI社会の中で取りこぼされている存在に目を向けることの重要性を訴えている。

 

作品例:『革命の夢』コートヤードHiroo (東京・広尾)

フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』に触発され、
現代の人工知能(AI)と人間の関係性に焦点を当てた映像作品。映像は、AIによって構成された画像を束ね、
動画化した上で、フランスの人権宣言を読み上げたナレーションが流れている。
このナレーションもAIで作られており、AIと人の境界線を曖昧にしている。

フランス人権宣言の定義する人間は、無意識の前提として男性のことであり、女性が含まれていなかった。
この無意識の前提は現在においても起きていないかという問いを投げかける。

 

作品例:『消えつつある方言のAI的保存』 山形県西川町

現在のAI は標準語には反応するが、方言対応は未だ課題である。また方言を使う人口は高齢化しており、
その貴重な言語文化は失われつつある。そこで、山形県西川町に協力をしてもらい、方言指導の先生役オーディションを開催。
ここで選ばれた住民に方言音源の録音をお願いすることで、音声認識AI であるWhisper や自然言語処理AI である
ChatGPT のファインチューニングのための入力データを作った。
社会実装が進む AI 時代の過渡期に「消えゆく」存在をアーカイブする取り組みである。

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