特集:商店街の高齢者への施策事例2
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A商店街(福岡県)では、空き店舗を利用して高齢者にターゲットを絞った
身近な日用品や健康用品を品揃えした専門店「おたっしゃ倶楽部」を運営している。
同商店街では、高齢者向けの商品を一括して扱う専門店を設立することで、
同店を起点として商店街全般に高齢者の来店が増加することを期待している。
同様の専門業態は、総合商社の一部が実施しているが、このような試みを
商店街として行っているのは珍しい。
同商店街では、「商店街が高齢者の支持を得るためには、
若者の流行を追いかけるような背伸びをやめて、高齢者が日常生活で必要な商品や、
商店街を利用したくなるようなサービスをワンストップで提供することが必要」と考えた。
しかし商店街の個店では、1か所で用を足すことが困難である。
そこで同商店街では、たまたま空き店舗となっていたスペースを活用して
高齢者の日常生活に必要な消耗品や介護用品・介護機器、高齢者に配慮した衣料品等が
1か所で購入できる専門店「おたっしゃ倶楽部」を開業し、商店街の手で運営することにした。
例えばマジックテープを使って簡単に着脱できる靴やカラフルなステッキ、
軽い拡大鏡などは、高齢者同士が集まるとよく話題になる商品であるが、
それらを1か所で手間をかけずに買うことができるところはこれまで身近になかった。
このため「おたっしゃ倶楽部」に対する客の評価は上々で、
「ここに来るとなんでも揃う」「ようやく自分たちの店ができた」と喜ぶ客が多いという。
さらに、同商店は高齢者の交流の場としての役割も果たしており、そこで出てきた高齢者のさらなる商品ニーズに対しても積極的に取り入れるべく努力している。
(/出典 (中小企業庁 『中小企業白書 2001年版』より)