マクドナルドとじいちゃんばあちゃんの不思議な関係。

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マクドナルドでは、連邦政府の予算を活用し、マクマスタープログラムに取り組んでいる。
その内容は、シニア層にマクドナルドで働いてもらおう、という計画である。
その特徴は4つある。
1.シニア層の成熟したおもてなし。
2.なじみやすいトレーニングプログラムを施している点
3.政府とのアライアンスを結んでいる点
4.法整備が進んでいる点
1.シニア層の成熟したおもてなし。
シニア層への訓練の際は、若者層へのそれと比べると格段に楽であるという。
彼らは既に基本的な礼儀作法や言葉遣いは訓練されていて研磨されている。
そこで、彼らはアドリブを利かせた会話の受け答えなど上手いおもてなしをするという。
あるシニアなどは、
「話せるのがうれしい。」
「家にじっといるのが耐えられない。ここはそこから解放される」
などと話す。
働くことが一つのパワーの源になっていると言える。
2.なじみやすいトレーニングプログラムを施している点
勤務形式は比較的自由だ。クリスマス前は家族で一緒に暮らしたいが、
土日はしっかり働く。というようなライフサイクルに合わせた勤務体系が出来ている。
また、E-Learningによってフォローアップが可能で社外でも仕事をしっかりと覚えることが出来る。
3.政府とのアライアンス
政府とのアライアンスも結んでいる。マクドナルドでは研修制度テスト+シニア層の雇用をしているために
政府としても的確な予算配分が出来ているという。
4.法整備
アメリカにおいては「雇用による年齢差別禁止法」を制定しており、段階的に
シニア層が働ける環境作りをしてきた。1967年に65歳までの年齢差別を
禁止していたが、その後、段階的に年齢を上昇させ1986年では年齢の上限を
撤廃し、40歳以上のあらゆる年齢差別を禁止した。
シニア層の勤労に関しては日本でも様々な動きがある。
高齢者雇用開発協会では、高齢者も働きやすい環境を得ていくための助成金や、情報発信を行っている。
働いた後の幸せということ自体がそもそも揺らいでいる。
定年退職してそのまま幸せに暮らす、というのが共通認識ではなくなってきている。
そこには高齢者、と一くくりするのが難しいほど元気な人たちが増えてきたという背景がある。
それは社会的にはビックインパクトであり、すばらしいことだ。
○年齢を重ねても仕事をしたい。
○社会貢献をしたい。
そういうなにかをしたい意識をこれまでは頭ごなしにやめさせていたところもある。
60歳になったら定年、ということ自体、今の世の中には適合しづらい。
いや、「定年=落ち着いた暮らし」ということが適合しづらい。
もっと多様のニーズがある世界になった。
人生60年から人生80年、いや、人生100年の時代が来るだろう。
そうなったときの、個人個人の可能性が最大限に社会的インパクトを持ちうる体制。
それは整えておく必要があるだろう。

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